小林多喜二奪還事件のブログ

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zoom RSS 『蟹工船』各国語版を展示、翻訳者サリスさん、オドリさんからメッセージ寄せられる!

<<   作成日時 : 2012/09/11 13:33   >>

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第5回伊勢崎・多喜二祭の小林多喜二資料展示会(藤田廣登氏プロデュース)において、『蟹工船』各国語版が展示されました。(島村輝フェリス女学院大学教授提供)展示されたのは、『蟹工船』10種類、他が4種類でした。内容は@『蟹工船』1933年の中国語訳(復刻)、A中国語2008年刊行、70年代の再版、B中国語マンガ『蟹工船』付新訳、C『蟹工船』イタリア語版、D『蟹工船』スペイン語版、E『蟹工船』ポルトガル語版、F『蟹工船』フランス語版、G『蟹工船』韓国語新訳版、H『蟹工船』中国語台湾版、I『一九二八年三月十五日』の独語版、J『党生活者』スペイン語版、K『蟹工船』ノルウェー語版、L中国語版『不在地主』文革時代に発行、Mフランス語版『太陽のない街』でした。また翻訳者を島村先生からご紹介いただき、メッセージを寄せてもらいました。『蟹工船』イタリア語版翻訳者ファリエロ・サリスのメッセージです。「追悼する(伊commemorareコッメモラーレ)。わたしはずっとこの言葉を、大げさでこれ見よがしの嫌な言葉だと思ってきました。ずっと、大理石の記念碑や、青銅のプレート、うわべだけの感傷表出、集団が味わった苦痛の誇示といったものとひとつにして考えてきました。しかしながら、その語源にもういちど立ち帰ると、イタリア語のこの言葉は「一緒になって思い出す」ということを意味しています。だからこそこの言葉は、今日ここ伊勢崎で、並々ならない意義を持ち、並々ならない重みを帯びています。これは、親しい故人のことを「小声で」思い出すために、葬式の通夜のように一堂に会した友たちの一団により「追悼する」行いなのです。
 思うに、死んだ者にとってなによりも大事なことは、自分自身について長く続く記憶を後に残すことでしょう。そしてもちろん小林多喜二は、自著のページのなかに、そうした記憶のひとつを不滅なものとして残していきました。けれどもそれに比べて、この青年の人間としての姿が、重要性で劣るとはわたしには思えません。その姿とは、わたしにとっては直接得たものではなく、彼を知っていた人たちの話や、彼の側にいた友人たち(かれらもまた今ではその大半が亡くなっている)の証言や、写真といったものを介して伝えられたものです。小林多喜二とは何者だったのか。わたしにはそれを断言することなど出来はしません。それでもわたしは、時折、この「友」を亡くして淋しいような気持ちになることがあります。そして、彼の煙草の煙や、彼が咳き込む様、賛成する彼のつぶやき、反対する彼の飛び上がる様、偽善の化けの皮をはいで権力の傲慢なうぬぼれを吹き飛ばすことができた彼の皮肉の閃き、そうしたものの無いことがわたしには淋しいのです。
 どんな幽霊にも、ひとつの生きていた良心が失われたことを埋め合わせることはできないと思います。しかし、断固としてわたしは思うのですが、その人の記憶をわたしたちが護り続けるならば(わたしたちがその記憶を護り続ける限りは)、故人も蘇るのです。ちょうど、切り落とされた片脚や片手の存在を、切断手術の後も患者がはっきりと感じるように。これは悲しい隠喩です、それはわたしにも判っています。しかし、とても若くして「断たれた」多喜二の命に思いを馳せるなら、なおいっそう適切な隠喩でもあります。
 だから多喜二のことを思い出しましょう、めいめいがめいめいにできるやり方で。市民的、社会的な闘争に向けて、彼の声を送り届けるのを止めることなく。わたしたちはそうした闘いを、残念ながら、今日なお闘っているのです。
 皆様の御静聴に感謝します。ファリエロ・サリス 2012年9月6日、茅ヶ崎にて」
『蟹工船』フランス語版翻訳者エヴリン・オドリのメッセージです。「『蟹工船』は不思議な生命力を持つ作品だと思います。発表された当時には、販売禁止になっても売れて、高く評価されました。戦後には中学校・高校に出るような古典的な存在になって、そしてそのまま古典作品らしく読まれていない本になってしまったと思ったら、急激に再びベスト・セラーになり、現代社会を理解するための作品と位置されました。さらに外国語に訳されて、各国の人々のために書かれたかのように親しまれていきます。これからの『蟹工船』も楽しみに期待しています。
 そして、今も『蟹工船』の新たな意味を築いていく、伊勢崎・多喜二祭の皆さんを心より応援します。9月8日エヴリン・オドリ(Evelyne Lesigne-Audoly)」
サリスさん、オドリさん、素晴らしいメッセージありがとうございました。
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コメント(2件)

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ブラボー!!
湖南
2012/09/13 19:21
ありがとうございました。湖南さんのおかげです。
管理者
2012/09/13 21:05

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